国指定重要文化財 講堂について

令和5年度 資料館(旧太田中学講堂)一般公開について 

  期日:令和5年10月11日(水)~14日(土)

  時間:午前10時~午後3時 ※10月14日(土)は午後3時30分まで

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   【一般公開の期間外の見学申し込みについては以下をご利用下さい】

旧茨城県立太田中学校講堂について 

 現在の「資料館」は、旧茨城県立太田中学校講堂として建築されました。明治37年12月1日に竣工し、多くの卒業生の思い出の場として親しまれてきました。昭和51年2月3日には、国の重要文化財(建財1977号)に指定されました。

 指定時の文化庁の調査では、「明治時代における洋風建築としての重要な遺例であり、損傷も少なく堂々としている。これは、設計者と請負師の技術と心が合致していたことと、特に御影石の質と工法のすばらしさに起因する。」と賞されました。

 設計者の駒杵勤治氏は、山形県新庄市の生まれで、明治35年に東京大学建築科を卒業と同時に茨城県から招聘され、旧県立商業学校、旧土浦中学校本館の設計を手がけました。

 いずれの建物も、ゴシック、ロココ様式に基盤をおき、その上に当時流行のスティックスタイル(木骨様式)を加味しています。講堂については、同じ様式のものが、旧龍ヶ崎中学校、旧水海道中学校、旧高等女学校にも建てられましたが、唯一現存するのは旧太田中学校講堂だけです。

 建築を請け負ったのは常陸太田市生まれの山口子之松氏でした。山口氏は、旧太田中学校講堂を手がけてから洋風建築に強い関心を持たれ、梅津会館(元太田市役所)、旧太田警察署、旧太田税務署、太田簡易裁判所、旧太田中学校記念館、旧太田高等女学校等を請け負い、その技術と手法には定評がありました。

 旧講堂に入ると、建築に携わった当時の関係者の教育にかけるあふれる情熱や、新しいものを積極的に取り込んでいく進取の精神をひしひしと感じさせられ、旧講堂が本校生の精神的拠り所になっていると言っても過言ではありません。

 

講堂正面の演壇、そこに置かれた演台に彫られた校章、天井の木組み、コリント式の柱頭飾り、そのどれをとっても当時の息吹を感じさせられます。

 現在は、当時の中学校生活に関する資料を保存・展示する「資料館」として使われています。本校では、この貴重な建築物を多くの方に訪れていただき、当時の教育にかける情熱を肌で感じていただくため、毎年秋に公開しております。またその時には、本校が所蔵する貴重な書画も資料館に展示いたしますが、資料館公開日以外の日に見学されたい方は、事前に学校に連絡頂き、併せて『資料館見学申請書』を事前に学校へ提出してください。